Insight Blog

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2009年02月 ARCHIVES

2009年02月12日

渡る世間に鬼はなし

この前の休日のこと。

子供をキャリア(ベビービヨルン)に入れて、スーパーに買い物に行きました。

まあ、明日の朝食用の魚とか卵を買うぐらいで、大した買い物ではなかったので、子供とふたりで散歩がてらに出掛けました。

胸の前に子供、背中に小さなリュックというスタイルです。

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スーパーには子連れはたくさんいましたが、母親だけか、母親プラス子供を抱っこしている父親、という感じで、父親だけで買い物に来ている人はいませんでした。

うちの子は、人ごみに来るとすぐ寝ちゃうので、特に支障はありません。

棚にある商品をとるとき、前屈みになって、子供を「むぎゅ」と挟まなければ大丈夫です。

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しかし、しかし、です。

レジに行って代金を払おうとしていたら、なんとレジのおばちゃんが、カゴから出した商品を、「袋に入れましょうか?」と言ってくれるではないですか!なんという優しい申し出。

「あ、大丈夫です。ありがとう」と礼を言ったのですが、レジのおばちゃんのこんな優しい表情は、今まで見たことがありませんでした(笑)。


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さらに。

レジうしろのカウンターで、袋詰めしていると、(このときも体を斜めにして袋に入れるので、ちょっと不便そうには見えるのですが)今度は、カゴを回収していた別のおばちゃんが近寄ってきて、

「何か、お手伝いしましょうか?」

と、これまた聞いたことがないような優しい声で、言ってくれるではありませんか(笑)。


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いやー。

子供ができると、世の中はこんなにも優しいのか、と実感すること、ひとしきり。

ちょっとパパが大変そうに見えたのかもしれないけど(笑)、世の中、捨てたもんじゃないですね。

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2009年02月16日

高額商品でも、インサイトは使える?

JMAや宣伝会議のセミナーなどでインサイトのお話をするとき、量販品を多く取り上げます。

食品や日用雑貨品などの消費財(パッケージグッズ)を、例に挙げたり、ワークショップのお題にしたりします。

誰でも実感を持ちやすいですし、課題にも取り組みやすいからです。


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しかし、そのせいもあって、「インサイトは、高額商品でも使えるのでしょうか?」

(高額商品は、いろいろ調べてから買うので、心のホットボタンを押されただけでは、買わないのではないでしょうか?)

といった質問を、よくいただきます。


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なので、この場を借りて、お答えしようと思います。

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高額商品でも、消費財と同じように、インサイトは使えます。

というより、実は、高額商品のほうが、消費財以上にインサイトが重要です。


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例として、ダイヤモンドとクルマを挙げてみましょう。

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まずは、デビアス(ダイヤモンド)の例。

もう数年前になりますが、3ストーンダイヤモンドのトリロジーは、「あなたの過去、現在、未来が輝く」という提案によって、大ヒット商品となりました。

これは、子育てに一段落した女性の「自分のこれまでも、現在も、将来も、すべて肯定してほしい」という気持ちを見事にとらえています。

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クルマの例もいくつか挙げてみましょう。

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かつての、セレナの「モノより思い出」、ステップワゴンの「子供と一緒に、どこ行こう」などは、まさに子供をもつ父親のインサイトそのものです。

(どちらも、キャンペーンを変更して、パワーを失ってしまいましたが。残念です。)


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大昔にも、インサイトを突いた、素晴らしいクルマの広告があります。

インサイトという言葉もなかった時代のことですから、その視点の斬新さ、鋭さは見事としか言いようがありません。それは・・・

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「白いクラウン」

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当時、クラウンは最高級車。(そんな時代もあったんですね)

「クラウンと言えば、黒塗りの社用車」という固定観念があって、誰も自家用車としては買わなかったそうです。

その固定観念を、この広告は打ち破りました。

「白」は、自家用車のシンボル。「そうかー。クラウンを自家用車として乗ってもいいのか。いつかは、乗ってみたいなあ!」と思わせることに成功したわけです。


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商品開発でも、日産のティーダは、「人が品質の良さを感じるポイント」に絞って開発されました。

これは、プロダクトデザインの世界で「感性品質」と呼ばれ注目されているもので、インサイトとほとんど同じ考え方に立っています。

感性品質では、「五感」で感じ取るものの中にホットボタンを見つけ出し、「五感」に訴えかけます。

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ここでは、ダイヤモンドとクルマの例を取り上げましたが、高額商品ほど、実は理屈を超えた「感情」を揺り動かされて買うのです。

人々は、機能や性能だけに、お金を出すわけではありません。


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ダイヤモンドなんて、機能的に言えば、ただの「光る石」ですからね(笑)。


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2009年02月17日

自分を大発見!!

生後3ヶ月半にして、大発見があったようです。

それは、鏡の中に映っているのは、な、なんと自分なんだ!ってこと(笑)。


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いままでも、鏡を見ることはあったのですが、「誰かいるなー」ぐらいにしか思っていなかったようです。

それが、ついにわかったみたいなのです。

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鏡に映っているのは、抱っこしているパパとちっちゃな自分。

交互にパパと自分を見ては、不思議そうな顔。そして、鏡の前にいる実物のパパを見上げる。どうも、同じパパらしい(笑)。

ってことは、ってことは。 ここにもうひとり映っている小さな子は、自分だー!ってことですね(笑)。


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こうして、子供は、「自分という存在」があることを、初めて知ったようです。

しかも、自分って、こんな姿なんだー!ということも。

そりゃあ、びっくりしたでしょうね、想像するに。彼女にとっては、まあ、世紀の大発見というところでしょう(笑)。


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自分を、外側から、素直に見てみる。

人の視点から。相手の立場から。人になりきって、自分を見てみる。


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大人になっても、大事ですよね。

自分がどう見えているのかがわかれば、自分の活かし方もわかるし、改善の方向もわかります。

また、人とのコミュニケーションのとり方も、劇的によくなります。


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ブランドや製品だって、そうです。

自分の担当するブランドや製品が、どういうふうに見えるのか、素直に見てみましょう。

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「えくぼ」と思っていたものが、実は「あばた」にしか見えないかもしれません。

「地味」と思い込んでいたのに、実は「落ち着きがある」と見えているかもしれません。


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まずは、どう見えるのか、どう思われているのかを、知りましょう。

赤ちゃんのような素直な目で見れば、今まで気づいていなかった「世紀の大発見」があるかもしれませんよ。


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2009年02月19日

たて座りで、世界が変わる。

子供も生後3か月が過ぎ、首がすわるようになりました。

で、たて座りができるようになったのですが、何が一番変わったでしょうか?


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それは、「見える世界」ですね。

寝ていたときは、ひたすら天井が見えていたはず。

見上げていると、パパの顔も、いろんな方角から現れます。足のほうから現れたり、頭のてっぺんのほうから現れたり。

上下の概念も持ちにくかったと思います。


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でも、たてに座れるようになると、上下にモノが見れます。床(地面)を上から見ることができます。

きっと、世界が激変したに違いありません。

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見える風景、景色が一気に広がって、それはそれは楽しそうです。

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同じように、お気に入りの抱っこも、変わりました。

以前は、横抱っこ(本人の気分は、まちがいなく、姫抱っこ?(笑))だったのですが、いまや、すぐ飽きてきて不機嫌になります。

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で、たて抱っこがお気に入りになったのですが、さらにアグレッシブになって(笑)、前向きに抱っこされたがるようになりました。

そう、普通にたて抱っこされると、見えるのはパパの顔だけ。
「よっぽどオモシロイ顔をし続けてくんないとつまんなーい」となるわけですね(笑)。


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「前向き、たて抱っこ」で、ガンダム歩け!

これなら、視界良好。で、景色も次々変わる。

ご機嫌です(笑)。

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仕事でも、ぜひ視点を変えましょうね。

現場の喧騒から離れて、ちょっとだけ上から俯瞰的に見てみる。自分のおかれている地平がよーく見えます。

後ろ向きだと、社内の上や横の顔しか見えないですが、前向きになると、世の中の空気や消費者の気持ちが見えてきます。

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それは、それは、おもしろくて飽きない、いい景色ですよ。


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