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2009年02月16日 23:40に投稿されたエントリーのページです。

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高額商品でも、インサイトは使える?

JMAや宣伝会議のセミナーなどでインサイトのお話をするとき、量販品を多く取り上げます。

食品や日用雑貨品などの消費財(パッケージグッズ)を、例に挙げたり、ワークショップのお題にしたりします。

誰でも実感を持ちやすいですし、課題にも取り組みやすいからです。


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しかし、そのせいもあって、「インサイトは、高額商品でも使えるのでしょうか?」

(高額商品は、いろいろ調べてから買うので、心のホットボタンを押されただけでは、買わないのではないでしょうか?)

といった質問を、よくいただきます。


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なので、この場を借りて、お答えしようと思います。

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高額商品でも、消費財と同じように、インサイトは使えます。

というより、実は、高額商品のほうが、消費財以上にインサイトが重要です。


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例として、ダイヤモンドとクルマを挙げてみましょう。

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まずは、デビアス(ダイヤモンド)の例。

もう数年前になりますが、3ストーンダイヤモンドのトリロジーは、「あなたの過去、現在、未来が輝く」という提案によって、大ヒット商品となりました。

これは、子育てに一段落した女性の「自分のこれまでも、現在も、将来も、すべて肯定してほしい」という気持ちを見事にとらえています。

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クルマの例もいくつか挙げてみましょう。

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かつての、セレナの「モノより思い出」、ステップワゴンの「子供と一緒に、どこ行こう」などは、まさに子供をもつ父親のインサイトそのものです。

(どちらも、キャンペーンを変更して、パワーを失ってしまいましたが。残念です。)


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大昔にも、インサイトを突いた、素晴らしいクルマの広告があります。

インサイトという言葉もなかった時代のことですから、その視点の斬新さ、鋭さは見事としか言いようがありません。それは・・・

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「白いクラウン」

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当時、クラウンは最高級車。(そんな時代もあったんですね)

「クラウンと言えば、黒塗りの社用車」という固定観念があって、誰も自家用車としては買わなかったそうです。

その固定観念を、この広告は打ち破りました。

「白」は、自家用車のシンボル。「そうかー。クラウンを自家用車として乗ってもいいのか。いつかは、乗ってみたいなあ!」と思わせることに成功したわけです。


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商品開発でも、日産のティーダは、「人が品質の良さを感じるポイント」に絞って開発されました。

これは、プロダクトデザインの世界で「感性品質」と呼ばれ注目されているもので、インサイトとほとんど同じ考え方に立っています。

感性品質では、「五感」で感じ取るものの中にホットボタンを見つけ出し、「五感」に訴えかけます。

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ここでは、ダイヤモンドとクルマの例を取り上げましたが、高額商品ほど、実は理屈を超えた「感情」を揺り動かされて買うのです。

人々は、機能や性能だけに、お金を出すわけではありません。


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ダイヤモンドなんて、機能的に言えば、ただの「光る石」ですからね(笑)。


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