ソーシャル・インサイト1
ソーシャル・インサイトとは?
マーケティングの世界で使われてきた「インサイト」の考え方を、社会的な問題にも使えないだろうか、という試みです。
マーケティングで言う「インサイト」は、正確には、「消費者インサイト」。
人々が、モノを買ったりサービスを利用したりするときの、隠された動機やニーズ、感情など。わかりやすく言えば、心の奥底にある「ホンネ」です。
マーケティング活動は、製品開発も広告キャンペーンも、インサイトという「消費者が思わず買ってしまう心のホットボタン」を押すことですが、この考え方を社会問題の解決にも役立てられないだろうか、と思い立ったわけです。
例えば、少子化の問題を取り上げてみましょう。
政府は、膨大な調査結果をもとに政策を決定していますが、どうもピントはずれだと感じることはありませんか?
子育ての経済的負担が大きくて、それが子供をつくらない最大の問題だ。だから助成金を出せば、子供をつくるはず。
あるいは、働きながら子育てするのが大変だから、子供をつくらない。だから、保育園をつくれば解決する。本当に、そうだと思いますかー?
調査をしているのに、こういう短絡的で的を得ていない結論に至るのは、なぜでしょう?
それは、定量調査のデータに頼り、表面的にしか見ていないからです。人々が、どういう気持ちでいるのか、ホンネは何なのか、実感を持って解釈していないからです。
もし、ターゲットの女性のホンネ(=インサイト)がわかったとしたら。
子供をつくりたいとは思わないのは、どういう気持ちが潜在的にあるからか?子供をつくりたいけれども、躊躇しているのは、どういう心理的なバリアがあるからか?そもそも、結婚しないのは、どういう気持ちの表れなのか?
こういうことがわかれば、「子供がほしい」とか「子供をつくろうかな」と思う、心のホットボタンが見つかります。そして、この動機付けのボタンをどうやったら押せるか、政策を考えていくことができます。
ブログのこのカテゴリーでは、インサイトという考え方を使って社会問題を解決できないか、にチャレンジしていきたいと思います。
近いうちに、勉強会やワークショップを開いて、みんなで話し合いたいと思っています。あるいは、ネット上でも話し合いができるかもしれません。
そして、いずれは政府首脳へコンサルティングを行う、あるいはマスメディアなどを通して働きかける、といった具体的な活動に結び付けたいと思っております。
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